健康保険法・国民健康保険法等改正点

外来療養、指定訪問看護事業者からの療養における高額療養費についても
窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることができるようになっています。

さいたま市、戸田市|山田社会保険労務士事務所 お客様の良き相談相手となれるよう頑張る
戸田市の社会保険労務士です。 現在、各医療保険制度においては、請求された医療費の自己負担分全額を医療機関の
窓口で支払い、その後にご本人様からの申請により、1ヶ月間(1日から末日まで)での
一定限度額(自己負担限度額)を超えた部分が払い戻される制度、いわゆる高額療養費制度を
適用しながら医療機関を利用する流れとなっています。

 ただ、この制度下では、一時期ではあるものの多額の療養費を患者さんご本人でご用意
しなければならず、かなりのご負担を強いる形になってしまいます。
 そこで、70歳未満の方については、同一医療機関での同一月の窓口負担(小学生以上69歳以下は3割など)が一定の
限度額(自己負担限度額)を超える場合に、「限度額適用認定証」を医療機関の窓口に提出しておくことで、その窓口での
支払い分を自己負担限度額までにとどめることができるようになっています。

 以前より70歳未満入院療養の患者さんについてはこの制度が適用されていますが、現在では入院にくわえ
外来診療についても認定証を提示しておくことにより、入院時と同じような上記制度を適用することが
できるようになっています。
 被保険者の方の住民税が非課税の場合には、「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定申請書」に非課税証明書を
添付して協会けんぽの各都道府県支部に申請してください。そうすれば、入院中の食事代等の減額認定を受ける
こともできます。
※4月から7月までの診療分…前年度の非課税証明書を添付
※8月から翌年3月までの診療分…当年度の非課税証明書を添付

 70歳以上75歳未満の患者さんについてはある程度療養費が高額になることが想定されるため、限度額適用認定証は
必要とせず、「保険証」と「高齢受給者証」を医療機関に提示することにより、窓口での支払いが自己負担限度額
までとなるしくみになっています。
 ただし、70歳以上75歳未満の方で市区町村民税が非課税の方については低所得者としての区分の適用を受けるため
「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定申請書」の提出が必要になります。


  ◆自己負担限度額(医療機関窓口で支払う最高額)は、年齢や所得、医療費総額、また外来か入院かなどにより
異なりますが、例えば標準報酬月額35万円の55歳の方が入院により約100万円の医療費がかかった場合、
自己負担限度額は約9万円になります。
 この場合において、
【窓口に限度額適用認定証を提出しないと】
 一旦100万円のうちの自己負担3割分の30万円を医療機関等に支払います。そのあと協会けんぽや
健康保険組合に「高額療養費」の申請を行い、自己負担限度額を超えた分の約21万円が払い戻されます。
 ただし、高額療養費が払い戻されるまでに3ヶ月以上の期間を要しますので、一時的とはいえ
経済的な負担が大きくなってしまいます。
【窓口に限度額適用認定証を提出しておくと】
 窓口で支払う医療費は自己負担限度額の約9万円で済みますので、まとまった費用を用意する必要がなくなります。

 「限度額適用認定証」を取得するには、協会けんぽまたは健康保険組合に「健康保険限度額適用認定申請書」
提出・申請してください。場合によっては「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定申請書」が必要になることも
ありますので、事前に協会けんぽや健康保険組合に伺ってください。

※認定証は申請書提出月の1日から(月の途中で健康保険に加入した場合は加入日から)適用となります。
 過去の月にさかのぼって適用することはできません。
※認定証発行まで日数がかかることがありますので、余裕をもって申請するようにしてください。
   


全国健康保険協会(以下、「協会」)が管掌している健康保険について、
被扶養者の資格の再確認が行われています。

 健康保険制度では、被保険者と一定の続柄にある方が要件を満たすことにより、その被保険者の被扶養者として
病院での療養・治療などの給付を受けることができます。(出産手当金や傷病手当金などは受給できません。)

 しかし、被扶養者としての要件を満たさなくなり本来ならば健康保険制度上の被扶養者から外れなければ
いけない方が資格喪失の届出を行っていないと、健康保険の保険者である協会は給付する必要のない保険事故に
対して保険給付を行うことになり、また高齢者への医療費負担についても本来の負担額以上の額を負担している
結果になります。

 そこで、保険者である協会の財政の適正化、医療費及び高齢者への医療費の拠出金の適正化を目的として、
毎年度初めに被扶養者の資格の再確認が行われています。

※なお、協会けんぽではなく健康保険組合が管掌する健康保険に加入している事業主様は、各組合までお尋ねください。
 一般的に健康保険組合での健康保険は、協会けんぽの健康保険より保険料が安く独自給付を設けている場合も多く、
 その分規約なども厳しいものになっており、被扶養者の再確認がより厳密に行われている組合も多いと思われます。

健康保険の被扶養者となるための要件については、こちらをご覧ください。


雇用保険法における「特定受給資格者」及び「特定理由離職者」など
非自発的失業者の方の国民健康保険料が平成22年4月1日より軽減されています。

@ 対象者
イ 雇用保険の特定受給資格者(倒産、解雇等により離職した者)として、離職の日の翌日から
 翌年度末までの期間において失業給付を受ける方
ロ 雇用保険の特定理由離職者(1、妊娠等正当な理由による離職者 2、期間の定めのある
 契約が終了し、更新を希望したにもかかわらず更新がされなかった者)として、離職の日の翌日
 から翌年度末までの期間において失業給付を受ける方

A 軽減額及び軽減期間
 国民健康保険料は前年の所得等により算定されますが、軽減制度適用対象者ついては離職の日の翌日から
その翌年度末までの間、給与所得を100分の30として計算することができます。
※国民健康保険料の算出方法は各自治体により異なるため、お近くの市区町村へご相談ください。
 その結果算出された国民健康保険料と、任意継続被保険者としての保険料とを比較し
どちらに加入するか検討されれば、保険料を安く抑えることができます。

 なお、国民健康保険料の軽減期間中に再就職した会社において健康保険の適用とならない場合には、
引き続き国民健康保険に加入することで本制度が継続適用されます。

新着情報&更新情報

平成26年3月23日更新しました…年金法改正点
国民年金の任意加入中の保険料未納期間が合算対象期間に算入されることになります。
平成26年3月14日更新しました…給与計算サポート
今まで適用されていた育児休業期間中にくわえ、産前産後休業期間中も社会保険料が免除されます。
平成26年3月8日更新しました…労働・社会保険ニュース
新しい給料を即時に標準報酬月額に反映させる同日得喪が、60歳以上の継続再雇用者に拡大適用されています。
平成25年4月1日…労働・社会保険ニュース
会社判断が廃止され希望者全員を継続雇用制度の対象とすることが求められています。
平成25年2月28日…健康保険法・国民健康保険等改正点
外来療養、指定訪問看護での医療費についても支払い額が一定の限度額までとなるしくみが始まっています。
平成23年10月25日…人事労務管理のポイント
離職票記載内容が事実と異なる場合には補正願の提出が必要です。
平成23年10月24日…労働者災害補償保険法改正点
石綿による遺族特別給付金の請求期限が延長されました。
平成23年7月2日…労働・社会保険ニュース
一定の要件を満たせば、パートタイマーや派遣社員など有期契約労働者の方も育児休業を取得できます。
…社会保険手続
標準報酬月額の定時決定等において、保険者算定が適用される場面が追加されています。
…労働・社会保険ニュース
事業主と同居の親族・家族従業者の方の雇用保険、労災保険への加入について、その基準をまとめました。
…人事労務管理のポイント
東日本大震災にかかる休業手当・労災保険などへの対応を、厚生労働省発表のQ&Aからまとめました。
…年金法改正点
東日本大震災に対処するため特別に施行された、年金に関連する主な法律をまとめました。
…年金法改正点
障害年金における子の加算額および配偶者に係る加給年金額の受給要件が緩和されました。
…労働・社会保険ニュース
年金支給の開始年齢引き上げが検討されます。
…人事労務管理のポイント
非常勤や契約社員、嘱託社員など短時間労働者の方の社会保険適用の基準をご説明いたします。
…人事労務管理のポイント
退職する労働者の方から請求があった場合には、使用者は一定の事項を記載した退職証明書を遅滞なく交付しなければなりません。
…労働・社会保険ニュース
勤務先の労働保険加入状況をインターネットで確認できるようになりました。
…人事労務管理のポイント
国民年金保険料は、退職(失業)による特例免除制度があります。
…労働・社会保険ニュース
事業主が雇用保険の被保険者資格取得の届出をしなかったことにより雇用保険に未加入のままであった従業員の方については、一定の要件を満たすことにより2年を超えて過去にさかのぼり被保険者期間として認められます。

■法律改正や保険料率等の改定、その他人事・労務に関する情報を更新していきます。


各法律改正点

社会保険労務士 山田泰則

社会保険労務士 山田泰則 企業と働く方の幸せのために頑張ります。さいたま市、戸田市、川口市、蕨市を中心に活動しております。
経営者の方のみならず、従業員の方や退職された方にとっての身近な相談者であり続けたいと考えています。
どうぞお気軽にお声を掛けてください。


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人事労務管理のポイント